ビザ申請は代理人でも出来る?本人出頭の原則と例外

1.本人出頭の原則

中長期在留者の住居地の届出、在留カードの記載事項の変更等の在留カードに係る申請・届出、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、永住許可申請、在留資格取得許可申請について、原則として、本人が出頭しておこなわなければならないとしています(本人出頭の原則。入管法61条の9の3第1項)。

また、在留資格認定証明書交付許可申請についても、同原則は明記されていませんが、原則として、代理人本人(外国人本人が日本にいる場合には外国人本人)が出頭して行わなければならないと解釈されています(入管法7条の2第2項、入管法施行規則6条の2第1項)。

以下、各手続について簡単に説明します。ただし、在留カードに係る申請・届出は省略します。

2.在留資格認定証明書交付許可申請

(1)本人出頭の原則

在留資格認定証明書交付許可申請について、同原則は明記されていませんが、原則として、代理人本人(外国人本人が日本にいる場合には外国人本人)が出頭して行わなければならないと解釈されています(入管法7条の2第2項)。

日本に上陸しようとする外国人を受け入れようとする機関の職員その他の者を代理人として、同申請を行うことができます(入管法7条の2第2項、入管法施行規則6条の2第1項)。外国人が日本において行おうとする活動に応じて、代理人が決まります(入管法施行規則6条の2第3項、別表四)。

(2)例外

地方出入国在留管理局長において相当と認める場合、以下の(a)(b)が取次し、または(c)が代理をして、日本にいる外国人又は代理人(外国人等)は、地方出入国在留管理局に出頭する必要はありません。

(a)公益法人の職員若しくは登録支援機関の職員で、地方出入国在留管理局長が適当と認めるもので、外国人等から依頼を受けた者
(b)申請取次弁護士・行政書士で、外国人等から依頼を受けた者
(C)外国人等の法定代理人

3.在留資格変更許可申請等

(1)本人出頭の原則

在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、永住許可申請、在留資格取得許可申請と各申請の許可時の在留カード受け取り等について、原則として、本人が出頭しておこなわなければならないとしています(入管法61条の9の3第1項3号)。

(2)例外

外国人の法定代理人が外国人に代わってする場合、及び、以下の(a)~(c)の場合で、地方出入国在留管理局長において相当と認めるときは、外国人が自ら地方出入国在留管理局に出頭する必要はありません(入管法61条の9の3第4項、入管法施行規則59条の6第3項)。

それぞれ行える行為は、別表第七の二の表の上欄に掲げる行為の区分に応じ、同表の下欄に掲げる行為です(入管法施行規則別表七の二)。

(a)日本にいる外国人又はその法定代理人の依頼を受けた申請取次者の場合(入管法施行規則59条の6第3項1号、別表七の二)。

(b)日本にいる随伴者、被扶養者又はその法定代理人の依頼を受けた一定の期間の職員で、地方出入国在留管理局長が適当と認める者の場合(入管法施行規則59条の6第3項2号、別表七の二)。

(c)上記(a)(b)の場合以外、外国人が16歳に満たない場合又は疾病その他の事由により自ら別表第七の二の表の上欄に掲げる行為をすることができない場合には、外国人の親族又は同居者若しくはこれに準ずる者(親族等)で地方出入国在留管理局長が適当と認める者(入管法施行規則59条の6第3項3号、別表七の二)。


(注)
①申請人本人が(みなし)再入国許可による出国中であることが判明したときは、申請人の親族等(法定代理人を除く)は取次者になることはできない。
②資格外活動許可の申請と就労資格証明書交付申請については、親族等(法定代理人を除く)による申請の取次は認められていない。
③「親族」は民法725条による。同条では、親族は、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族とする。
④「同居者に準ずる者(親族等)で地方出入国在留管理局長が適当と認める者」
 個々の事情等を考慮して、取次によることが適当か否かを判断する。以下の者は該当する。

(ア)告示25号の特定活動(医療滞在)で在留する者に代わって申請等を行う告示26号の特定活動(同行者)で在留する者
(イ)代理人等、他に申請等を行う者がおらず、外国人本人が刑事施設等に収容されている、自動相談所又は婦人相談所等に入所しているなどの理由により出頭できない場合、施設の職員
(ウ)代理人等、他に申請等を行う者がいない老人ホーム等にいる外国人本人に代わって申請等を行う老人ホームの職員等